自動車業界の不正についての考察 1
- 2024.02.07 Wednesday
- 10:50
昨年のビッグモーターの不祥事に続き、ダイハツの品質不正や検査不正問題、さらに年明けにトヨタ織機のディーゼルエンジン不正問題など、自動車業界では不祥事や不正が相次いでおります。
ビッグモーターに関しては完全に会社の体質というかやり方の問題で合って、保険金の過大請求や顧客の車をわざと傷をつけて修理代を水増しするなど言語道断です。また街路樹を伐採したり枯らして自社の商品車両を良く見えるようにするというのも考えられないですね。
ビッグモーターに限らず、他の大手中古車販売店は売り上げを上げるためなのか分かりませんが、車両の見積もりを作ってもらったら車両価格に40万、50万と諸費用がのっていたという話は枚挙に暇がありません。個人的にはこれは適正価格とは言い難く、知らない人を食い物にしていると言っても過言ではないと思っています。
もちろん消費者もその提示された見積もりに納得して購入しているので法律に違反しているわけではないので、法律上の商取引として問題ないでしょうが、同業者目線で言うと費用の2重請求をしている項目が散見されたりします。
他社の見積もりで「登録手続き代行費用」、「ナンバー変更手続き代行費用」、「登録書類作成費用」などと記載されているものを見たことがありますが、どれも同列の作業なんですよね。少なくとも当店は「登録代行費用」としてしか請求していない項目です。
これに対しては残念ながら消費者側が知恵を付けて、そういうお店で購入する際にはおかしいと思う箇所はしっかり質問して納得するまで購入しないようにするしかありません。
ダイハツの不正についてはかなり大々的に報道され、実際に品質に関わる問題も発生しております。衝撃でドアロックが掛かってドアが開かなくなるといったことや、エンジンの出力が量産車はカタログ数値より低かったということもあったそうです。
ただ全ての車が問題あったのかというとそうでもなく、どの車がどういう問題があったのかが一目瞭然で分からないところがこの問題をより複雑にしている気はします。
そもそも、自動車の量産に際しては抜き打ちで検査機関がチェックしているわけではなく、同じ型式認定をされた車種は同一品質とみなして量産されているそうですが、その型式認定用に検査機関に提出された車両と量産車は全く同一品質というのが大前提です。
それが、型式認定用の車種だけ手を加えてエンジン出力を変えていたり、何らかの理由で開かないエアバッグを手動で開くようにしたとか、そうするともはや型式認定の意味が無くなってしまうようなことになります。
なぜそんなことになってしまったのか、様々な意見がありますが、やはり発売日が先に決まってしまって、それに合わせて生産や型式認定を取る工程に無理があったのではないかと思います。
理想は量産できてかつ国の基準に合格する車両ができる目途が立ってから販売日を決めたらいいと思うのですが、そうすると発売日がどんどん遅くなってしまうので、先に販売日が決まって、それに帳尻を合わせるように国の試験を受けて生産しているから今回の様な事態になってしまったのだと思われます。
品質に問題が発生して販売日をずらさなければならなくなった場合は、それを承認されやすい環境になれば良いのかなと個人的には思います。
長々となっていまいましたが、また続きは次回に。。。